『大ヴァイオリニストがあなたに伝えたいこと』ヴァイオリンの弾き方、弦、弓について
『大ヴァイオリニストがあなたに伝えたいこと』という本を以前手に入れた。
この本はタルティ二、レオポルト・モーツァルト、ヴィオッティ、バイヨ、ローデ、パガニーニ、シュポア、パガニーニ、ダンクラ...ヴァイオリン史上省略できない人たちばかりの箴言集だ。ヴァイオリニスト偉人伝と言ってもいい。現代のヴァイオリニストまで網羅しており、パールマンやクレーメル、ズッカーマンなども収録されている。
この本の魅力をどのように伝えれば良いのか、非常に悩む。帯の宣伝文句から引用すると、
”達人たちの”手”と”頭”に学べ 右手の問題、左手の問題、音楽の課題、そして人生の練習問題”とある。
端的に言うと確かにこの文句なのだろう。
ヴァイオリンという楽器について、ヴァイオリンの構え方について、左手の技術について、右手の技術について、音楽への取り組み方について、芸術についてなど、書かれてある範囲が非常に広く勉強になる。言葉はすべて、ヴァイオリン史上の偉人で、なおのこと説得力がある。
特別に誰かのことをこの記事で取り上げてみるというのは本当に忍びなく、それでもこの本の魅力やヴァイオリニストたちの魅力を伝えるためには致し方ないだろう。
一人だけ挙げてみよう。
ニコロ・パガニーニ
ヴァイオリン史上で最も欠かせない人物はと言われると、やはりパガニーニを外すわけにはいかない。
著者の千蔵八郎氏はパガニーニについての解説でこのように述べている。
”彼の演奏はむしろ既存するテクニックのすべてを総合的に駆使して、それに新たな生命を与え、テクニックをロマン主義の芸術的な審美性のなかで大きく開花させた”
引用の引用の引用になるのだが、この本のなかでパガニーニは第一ポジションから手をずらさないで、第三ポジションを奏くことが出来た、とある。パガニーニのしなやかな肩の筋肉や指関節について触れられている。
第一ポジションで第三ポジションが弾けるのであれば、もはや常人の手ではなく、ポジションについての概念も全く変わるだろう。普通では考えられない。。。
また面白いのは、パガニーニの数少ない弟子のうちの一人であるシヴォリがパガニーニのことを「この世で最悪の先生だった」と述べていること。シヴォリがパガニーニにどうしてもっとうまく弾けないのかと皮肉たっぷりに言われていたというエピソードなどが私はとても好きだ。
パガニーニは最近もデイヴィッド・ギャレットが主演で映画になった。彼はヴァイオリニストでヴァイオリンが弾けない役者が急造でヴァイオリンを弾くたどたどしさがなく、とても良い。内容もヴァイオリンが好きであれば何度でも見てしまうだろう。
(↓内容を見てみる↓)
レオポルド・アウアーやガラミアンなどヴァイオリン名教師の言葉もあり、とても挙げきれない。
ぜひ手もとにおいておくことおすすめだ。
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